家族の距離感

なんでも話し合えて、わかりあえる家族… 理想に思えますよね。

家族は、最も身近な運命共同体。辛いことも悲しいことも一番理解して支えてほしいし、支えたい。

特に優しく共感能力の高い女性は、親、兄弟姉妹、子供が悩んでいる状況を放っておけません。

しかし、心の距離が近いあまりに、冷静に現実をみることができなくなり、辛い感情だけを共有してしまうもたれあいになってしまうことがあるのです。感情的にあまりにも密着してしまうと、自分までとりみだしたり、一緒に悲しみの底に沈んでしまうということになってしまいます。

独り立ちしたのに実家の両親の不仲にひどく心が痛むとか、嫁いだ娘の愚痴話にひどく心をゆさぶられるとか、姉、妹におきた悲しい出来事にとりみだして何も手につかなくなるとか、愛情が行き過ぎて空回りしてしまうのです。

他人との距離感は適切にとれても、身近な家族との心の距離を適切にとることはなかなか難しいものですね。

そんな時は、時間がかかってもそれぞれが自分の問題に立ち向かえる力を持っていることを信じ、むしろ目の前の状況によって自分自身のどんな恐れや不安な気持ちが刺激されるのか、ということに目を向けてみることも必要かもしれません。